こっぱずかしいので、下に隠しとく。
飛鳥とせすの新妻&うたサイド真相究明編(何
だったのだけど、違うのが思い浮かんだのでお蔵入りどころか消去ー。
てなわけで、MOTTAINAIの精神でここにのせときます。
こっから先は、各自想像に任せた!(待つ
飛鳥とせすの新妻&うたサイド真相究明編(何
だったのだけど、違うのが思い浮かんだのでお蔵入りどころか消去ー。
てなわけで、MOTTAINAIの精神でここにのせときます。
こっから先は、各自想像に任せた!(待つ
~~~~1話~~~~
一年前。
桜が舞い散る中、初めて彼女を見かけた。入学式のことだった。
教室に入って、初めて彼女と同じクラスになった。とても尊いものを見た気がした。
気高く、美しい。
少なくとも僕はそう感じた。
話しかけてみて、意外と普通の人だと知った。
もう少し話してみて、少し変わった人だと知った。
一年たって、僕にとって一番気になる人となった。
そして、今……。
「君を守りたい。だけど、僕には役者不足なんだね……」
今、僕は、自分の無力さをいたく感じている。
04.ひたむきな願い手
あと、少し。
あと、少しで届くはず!
文化祭も終わり、皆が燃え尽きてる十月。僕は、学校近くの本屋に寄っていた。
「新妻君。何してるの?」
「え、あ、うわぁ!!!」
爪先立ちをして、あと少しで参考書に手が届く、というところで声をかけられ、僕は盛大にすっころんだ。
転ぶだけならまだしも、後ろの棚にぶつかり、棚から本がばさばさと落ちてくる……。
「だ、大丈夫?!」
正直に言っていいなら、全然大丈夫じゃない。
店員さんもかけつけてきたし、恥ずかしさも頂点に達している。
だけれども……
「だ、だいじょうぶれふ……」
と、日本人らしい回答をついついしてしまった。
無数の中学生用参考書に囲まれながら、声の主を振り返る。
長い黒髪を、高い位置でひとつにくくっている彼女こそ、僕の想い人、鳥居詩さん。
特に抜きんでた才能があるわけでもなく、容姿も石垣に言わせると中の下。だけれど、彼女が発する雰囲気は、他の女子なんか比べ物にならないくらい荘厳だと僕は思っている。
「ええと、これでいいのかな?」
彼女が取ってくれたのは、僕が先ほどまで取ろうとしていた参考書。
彼女の背だと、少し手を伸ばしただけで取れてしまう。チビに生れたことに少し切なくなった。
「うん。ありがとう」
少々照れくさくて笑顔が上手く作れない。
けれど、そんな僕にも彼女は笑いかけてくれた。
それが、初めてうたさんと会話した日。
こんなことまで覚えてるだなんて、なんか僕って女々しいな。だから、にいづまとか奥さんって呼ばれるんだろうか?
それから、僕とうたさんはしばしば会話した。
彼女も僕も本好きだということで、結構盛り上がっていた。
彼女は文学部を受けるつもりでいるらしく、将来などほとんど考えていなかった僕にとっては、それだけでなんだか尊敬できた。
しかし、輝いて見えたうたさんの心が、闇に染まっているのに気づいたのも、こうやって話している時だった。
マサユキさんとセスさん。
この2人のことを彼女が話すとき、彼女は酷くおかしかった。
特に、マサユキさんのことを語る時、彼女は、恋する乙女の顔をしてるくせに、その瞳を暗く濁らせていた。
……ねぇ、うたさん。
もし、もしだよ?
セスさんがいなかったら、
マサユキさんがいなかったら……
僕は君の傍にいれたのかな?
「ねぇ、新妻君? 何を考えてるの?」
彼女の凶行は、思考に没頭させてくれない。
きっと、この前飛鳥が言っていたのは、これと似た状況なんだろう。
セス……鳥居世寿さん。彼女の妹。
その妹さんが凶暴なのは知ってたけど、まさかうたさんまでなるとは思わなかった。
「うたさん……」
「ダメよ、新妻君。私を救うんでしょ? 守りたいんでしょ? じゃあ、守ってみせてくれなくちゃ」
彼女の攻撃は、容赦がない。
どこかで武術を習っていたんじゃないかと思うほど、隙と無駄のない動き。
そして、彼女の言葉は、僕の心をえぐっていく。
「……ふふふ。役者不足なんて、謙遜しなくていいわ。あなたには救う力があるんでしょうよ。
あなた自身は決して救われないのにね。…………あはははは」
ふわふわと舞うように移動しているのに、一撃一撃はとても重い。
防ぐのに精一杯だ。
「ねぇ、何にも言わないの? ふふふ、そうよね。今は、反論するタイミングじゃないものね。
今は必死で耐えて耐えて耐えて……私が疲れるか、あなたが倒れるかしたら、あなたは行動をおこすんでしょ? そうでしょ?」
笑いながら、どんどん攻撃を加えてくる。
このままだと、僕が倒れる方が先かな。
……だけど。
「うたさん。お願い、だから……もう……やめよう?」
倒れそうになりながらも、うたさんに向かって両手を伸ばす。
……まぁ、イコール、ノーガードの状態になってしまうということで。
「あら……?」
「…………」
僕は攻撃を余すところなく受けた。だんだんと意識が遠のいていく。
「ごめんね、新妻君。でも、あなたは私の傍にいてはいけないわ。だって、あなたは……」
うたさんが何か言った気がするが、僕の耳には届かなかった……。
~~~~2話~~~~
03.揺るがぬことの強さを
目が覚めて、気づくとソファの上。
うたさんの家に行くと毎度のこと。
普通に話して、彼女が狂いだして、僕が攻撃を受ける……と。
僕が起きた後の彼女は、とても悲しそうな目をして、とても優しくしてくれる。
本当に脆い人だと思う。
周りの人は、多分この脆さに気づいていない。というより、これくらいの年代ってみんな脆いから、自分のことで精一杯なんだと思う。
脆くないのは石垣くらいだよ、きっと……。
「おはよう、新妻くん……」
ほら、やっぱりこの目。
彼女をどうにかして救いたい。
でも、僕には出来ない。
圧倒的な力量不足。
それが……歯がゆい。
彼女を救う王子様にはなれなくても、その王子様を運ぶ馬車くらいにはなりたいのに。
……それすら、なれない。
「ありがとう、少しは気がはれたわ」
うたさん、本当はそんなことを思っていない。
それがわかるのに、僕には何も出来ない。
いつも通り、ただ話を聞いて、殴られて……帰っていく。
僕は、何をしているんだろう……。
「うた、さん……」
「なあに?」
何故か言葉が出た。
僕が伝えていいのかわからないけれど……。
「あなたは……っ。……ううん。なんでもない……です……」
肺がひどく重い。呼吸も苦しい。
言葉を伝えたくて伝えたくて。
でも、言葉にならないもどかしさが僕の中で渦巻いている。
きっと彼女は、このまま解決するのだろう。
<ここまで>
一年前。
桜が舞い散る中、初めて彼女を見かけた。入学式のことだった。
教室に入って、初めて彼女と同じクラスになった。とても尊いものを見た気がした。
気高く、美しい。
少なくとも僕はそう感じた。
話しかけてみて、意外と普通の人だと知った。
もう少し話してみて、少し変わった人だと知った。
一年たって、僕にとって一番気になる人となった。
そして、今……。
「君を守りたい。だけど、僕には役者不足なんだね……」
今、僕は、自分の無力さをいたく感じている。
04.ひたむきな願い手
あと、少し。
あと、少しで届くはず!
文化祭も終わり、皆が燃え尽きてる十月。僕は、学校近くの本屋に寄っていた。
「新妻君。何してるの?」
「え、あ、うわぁ!!!」
爪先立ちをして、あと少しで参考書に手が届く、というところで声をかけられ、僕は盛大にすっころんだ。
転ぶだけならまだしも、後ろの棚にぶつかり、棚から本がばさばさと落ちてくる……。
「だ、大丈夫?!」
正直に言っていいなら、全然大丈夫じゃない。
店員さんもかけつけてきたし、恥ずかしさも頂点に達している。
だけれども……
「だ、だいじょうぶれふ……」
と、日本人らしい回答をついついしてしまった。
無数の中学生用参考書に囲まれながら、声の主を振り返る。
長い黒髪を、高い位置でひとつにくくっている彼女こそ、僕の想い人、鳥居詩さん。
特に抜きんでた才能があるわけでもなく、容姿も石垣に言わせると中の下。だけれど、彼女が発する雰囲気は、他の女子なんか比べ物にならないくらい荘厳だと僕は思っている。
「ええと、これでいいのかな?」
彼女が取ってくれたのは、僕が先ほどまで取ろうとしていた参考書。
彼女の背だと、少し手を伸ばしただけで取れてしまう。チビに生れたことに少し切なくなった。
「うん。ありがとう」
少々照れくさくて笑顔が上手く作れない。
けれど、そんな僕にも彼女は笑いかけてくれた。
それが、初めてうたさんと会話した日。
こんなことまで覚えてるだなんて、なんか僕って女々しいな。だから、にいづまとか奥さんって呼ばれるんだろうか?
それから、僕とうたさんはしばしば会話した。
彼女も僕も本好きだということで、結構盛り上がっていた。
彼女は文学部を受けるつもりでいるらしく、将来などほとんど考えていなかった僕にとっては、それだけでなんだか尊敬できた。
しかし、輝いて見えたうたさんの心が、闇に染まっているのに気づいたのも、こうやって話している時だった。
マサユキさんとセスさん。
この2人のことを彼女が話すとき、彼女は酷くおかしかった。
特に、マサユキさんのことを語る時、彼女は、恋する乙女の顔をしてるくせに、その瞳を暗く濁らせていた。
……ねぇ、うたさん。
もし、もしだよ?
セスさんがいなかったら、
マサユキさんがいなかったら……
僕は君の傍にいれたのかな?
「ねぇ、新妻君? 何を考えてるの?」
彼女の凶行は、思考に没頭させてくれない。
きっと、この前飛鳥が言っていたのは、これと似た状況なんだろう。
セス……鳥居世寿さん。彼女の妹。
その妹さんが凶暴なのは知ってたけど、まさかうたさんまでなるとは思わなかった。
「うたさん……」
「ダメよ、新妻君。私を救うんでしょ? 守りたいんでしょ? じゃあ、守ってみせてくれなくちゃ」
彼女の攻撃は、容赦がない。
どこかで武術を習っていたんじゃないかと思うほど、隙と無駄のない動き。
そして、彼女の言葉は、僕の心をえぐっていく。
「……ふふふ。役者不足なんて、謙遜しなくていいわ。あなたには救う力があるんでしょうよ。
あなた自身は決して救われないのにね。…………あはははは」
ふわふわと舞うように移動しているのに、一撃一撃はとても重い。
防ぐのに精一杯だ。
「ねぇ、何にも言わないの? ふふふ、そうよね。今は、反論するタイミングじゃないものね。
今は必死で耐えて耐えて耐えて……私が疲れるか、あなたが倒れるかしたら、あなたは行動をおこすんでしょ? そうでしょ?」
笑いながら、どんどん攻撃を加えてくる。
このままだと、僕が倒れる方が先かな。
……だけど。
「うたさん。お願い、だから……もう……やめよう?」
倒れそうになりながらも、うたさんに向かって両手を伸ばす。
……まぁ、イコール、ノーガードの状態になってしまうということで。
「あら……?」
「…………」
僕は攻撃を余すところなく受けた。だんだんと意識が遠のいていく。
「ごめんね、新妻君。でも、あなたは私の傍にいてはいけないわ。だって、あなたは……」
うたさんが何か言った気がするが、僕の耳には届かなかった……。
~~~~2話~~~~
03.揺るがぬことの強さを
目が覚めて、気づくとソファの上。
うたさんの家に行くと毎度のこと。
普通に話して、彼女が狂いだして、僕が攻撃を受ける……と。
僕が起きた後の彼女は、とても悲しそうな目をして、とても優しくしてくれる。
本当に脆い人だと思う。
周りの人は、多分この脆さに気づいていない。というより、これくらいの年代ってみんな脆いから、自分のことで精一杯なんだと思う。
脆くないのは石垣くらいだよ、きっと……。
「おはよう、新妻くん……」
ほら、やっぱりこの目。
彼女をどうにかして救いたい。
でも、僕には出来ない。
圧倒的な力量不足。
それが……歯がゆい。
彼女を救う王子様にはなれなくても、その王子様を運ぶ馬車くらいにはなりたいのに。
……それすら、なれない。
「ありがとう、少しは気がはれたわ」
うたさん、本当はそんなことを思っていない。
それがわかるのに、僕には何も出来ない。
いつも通り、ただ話を聞いて、殴られて……帰っていく。
僕は、何をしているんだろう……。
「うた、さん……」
「なあに?」
何故か言葉が出た。
僕が伝えていいのかわからないけれど……。
「あなたは……っ。……ううん。なんでもない……です……」
肺がひどく重い。呼吸も苦しい。
言葉を伝えたくて伝えたくて。
でも、言葉にならないもどかしさが僕の中で渦巻いている。
きっと彼女は、このまま解決するのだろう。
<ここまで>
PR