忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2025/01/31 06:51 |
使わないこと決定。
こっぱずかしいので、下に隠しとく。
飛鳥とせすの新妻&うたサイド真相究明編(何

だったのだけど、違うのが思い浮かんだのでお蔵入りどころか消去ー。
てなわけで、MOTTAINAIの精神でここにのせときます。
こっから先は、各自想像に任せた!(待つ
~~~~1話~~~~

 一年前。
 桜が舞い散る中、初めて彼女を見かけた。入学式のことだった。

 教室に入って、初めて彼女と同じクラスになった。とても尊いものを見た気がした。
 気高く、美しい。
 少なくとも僕はそう感じた。
 話しかけてみて、意外と普通の人だと知った。
 もう少し話してみて、少し変わった人だと知った。
 一年たって、僕にとって一番気になる人となった。

 そして、今……。



「君を守りたい。だけど、僕には役者不足なんだね……」
 今、僕は、自分の無力さをいたく感じている。



04.ひたむきな願い手

 あと、少し。
 あと、少しで届くはず!
 文化祭も終わり、皆が燃え尽きてる十月。僕は、学校近くの本屋に寄っていた。

「新妻君。何してるの?」
「え、あ、うわぁ!!!」
 爪先立ちをして、あと少しで参考書に手が届く、というところで声をかけられ、僕は盛大にすっころんだ。
 転ぶだけならまだしも、後ろの棚にぶつかり、棚から本がばさばさと落ちてくる……。
「だ、大丈夫?!」
 正直に言っていいなら、全然大丈夫じゃない。
 店員さんもかけつけてきたし、恥ずかしさも頂点に達している。
 だけれども……
「だ、だいじょうぶれふ……」
 と、日本人らしい回答をついついしてしまった。
 無数の中学生用参考書に囲まれながら、声の主を振り返る。
 長い黒髪を、高い位置でひとつにくくっている彼女こそ、僕の想い人、鳥居詩さん。
 特に抜きんでた才能があるわけでもなく、容姿も石垣に言わせると中の下。だけれど、彼女が発する雰囲気は、他の女子なんか比べ物にならないくらい荘厳だと僕は思っている。
「ええと、これでいいのかな?」
 彼女が取ってくれたのは、僕が先ほどまで取ろうとしていた参考書。
 彼女の背だと、少し手を伸ばしただけで取れてしまう。チビに生れたことに少し切なくなった。
「うん。ありがとう」
 少々照れくさくて笑顔が上手く作れない。
 けれど、そんな僕にも彼女は笑いかけてくれた。
 それが、初めてうたさんと会話した日。
 こんなことまで覚えてるだなんて、なんか僕って女々しいな。だから、にいづまとか奥さんって呼ばれるんだろうか?


 それから、僕とうたさんはしばしば会話した。
 彼女も僕も本好きだということで、結構盛り上がっていた。
 彼女は文学部を受けるつもりでいるらしく、将来などほとんど考えていなかった僕にとっては、それだけでなんだか尊敬できた。
 しかし、輝いて見えたうたさんの心が、闇に染まっているのに気づいたのも、こうやって話している時だった。
 マサユキさんとセスさん。
 この2人のことを彼女が話すとき、彼女は酷くおかしかった。
 特に、マサユキさんのことを語る時、彼女は、恋する乙女の顔をしてるくせに、その瞳を暗く濁らせていた。


 ……ねぇ、うたさん。
 もし、もしだよ?
 セスさんがいなかったら、
 マサユキさんがいなかったら……
 僕は君の傍にいれたのかな?


「ねぇ、新妻君? 何を考えてるの?」
 彼女の凶行は、思考に没頭させてくれない。
 きっと、この前飛鳥が言っていたのは、これと似た状況なんだろう。
 セス……鳥居世寿さん。彼女の妹。
 その妹さんが凶暴なのは知ってたけど、まさかうたさんまでなるとは思わなかった。
「うたさん……」
「ダメよ、新妻君。私を救うんでしょ? 守りたいんでしょ? じゃあ、守ってみせてくれなくちゃ」
 彼女の攻撃は、容赦がない。
 どこかで武術を習っていたんじゃないかと思うほど、隙と無駄のない動き。
 そして、彼女の言葉は、僕の心をえぐっていく。
「……ふふふ。役者不足なんて、謙遜しなくていいわ。あなたには救う力があるんでしょうよ。
 あなた自身は決して救われないのにね。…………あはははは」
 ふわふわと舞うように移動しているのに、一撃一撃はとても重い。
 防ぐのに精一杯だ。
「ねぇ、何にも言わないの? ふふふ、そうよね。今は、反論するタイミングじゃないものね。
 今は必死で耐えて耐えて耐えて……私が疲れるか、あなたが倒れるかしたら、あなたは行動をおこすんでしょ? そうでしょ?」
 笑いながら、どんどん攻撃を加えてくる。
 このままだと、僕が倒れる方が先かな。
 ……だけど。
「うたさん。お願い、だから……もう……やめよう?」
 倒れそうになりながらも、うたさんに向かって両手を伸ばす。
 ……まぁ、イコール、ノーガードの状態になってしまうということで。
「あら……?」
「…………」
 僕は攻撃を余すところなく受けた。だんだんと意識が遠のいていく。

「ごめんね、新妻君。でも、あなたは私の傍にいてはいけないわ。だって、あなたは……」

 うたさんが何か言った気がするが、僕の耳には届かなかった……。



~~~~2話~~~~
03.揺るがぬことの強さを


 目が覚めて、気づくとソファの上。
 うたさんの家に行くと毎度のこと。
 普通に話して、彼女が狂いだして、僕が攻撃を受ける……と。
 僕が起きた後の彼女は、とても悲しそうな目をして、とても優しくしてくれる。
 本当に脆い人だと思う。
 周りの人は、多分この脆さに気づいていない。というより、これくらいの年代ってみんな脆いから、自分のことで精一杯なんだと思う。
 脆くないのは石垣くらいだよ、きっと……。

「おはよう、新妻くん……」
 ほら、やっぱりこの目。
 彼女をどうにかして救いたい。
 でも、僕には出来ない。
 圧倒的な力量不足。
 それが……歯がゆい。
 彼女を救う王子様にはなれなくても、その王子様を運ぶ馬車くらいにはなりたいのに。

 ……それすら、なれない。

「ありがとう、少しは気がはれたわ」
 うたさん、本当はそんなことを思っていない。
 それがわかるのに、僕には何も出来ない。
 いつも通り、ただ話を聞いて、殴られて……帰っていく。
 僕は、何をしているんだろう……。
「うた、さん……」
「なあに?」
 何故か言葉が出た。
 僕が伝えていいのかわからないけれど……。
「あなたは……っ。……ううん。なんでもない……です……」
 肺がひどく重い。呼吸も苦しい。
 言葉を伝えたくて伝えたくて。
 でも、言葉にならないもどかしさが僕の中で渦巻いている。
 きっと彼女は、このまま解決するのだろう。

<ここまで>
PR

2007/11/27 20:22 | Comments(0) | 小説ネタ

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<疑問。 | HOME | 完了。>>
忍者ブログ[PR]